着帯の祝いと安産祈願
子宝に恵まれたことを神さまに感謝し、妊娠5ケ月の戌(いぬ)の日に着帯(ちゃくたい)の祝いを行います。 戌の日が選ばれるのは、犬の安産にあやかるためと言われ、妊婦は赤ちゃんが岩のように丈夫に育ちますようにとの意味の込められた「岩田帯(いわたおび)」をしめます。そして、母体の安全と無事に赤ちゃんが生まれることを願って安産祈願をします。
地方によっては、産土さまに安産祈願のお参りをした時に、境内にある小石を持ち帰ってお守りにし、お七夜が過ぎると元の場所にもどしに行く風習があります。
出産のときに箒(ほうき)を立てると安産だという言い伝えがあるのは、箒の実用性から、災いを払い霊魂をかき集める神聖な道具であると考えられたからです。
産土さま・氏神さま・鎮守さま
産土(うぶすな)さまは本来、私たちが生まれたところ(ふるさと)の神さま(地縁的な神)を言い、氏神さまは、もともとは氏族が共同でお祀りする神さま(血縁的な神)のことを言いました。
また鎮守さまとは、一定の土地に住む人々や建物を守護する神さまのことを指しました。 今日では、産土さまも氏神さまも鎮守さまも、ほぼ同じ意味に用いられています。これらの神さまは、私たちを一生を通じて守ってくれる神様で、一般には、私たちの住まいの近くにある神社がそれにあたります。
このような神さまに対して、私たちは産子・氏子と呼ばれます。神さまが親で、私たちはその子という関係で結ばれているのです。神さまは私たちとまったくかけ離れた存在ではなく、私たちの生活とともに生きる、身近な存在なのです。